後継ぎいませんか~愛菓子案内人 VOL026
今回の『愛菓子案内人』は、げんこつ飴のお話です。
げんこつあめの紹介をします。げんこつあめは、はったい粉が1、きな粉が1、砂糖が1の割合で混ぜたもので、飴という名前が付いてますけども、ハイチュウのような食感の食べ物であります。
ほとんどの日本のメーカーが機械を使ってこのげんこつ飴というものをこのように棒状に延ばしております。
ここのメーカーだけだと私は思うんですれども、いまだに手作り。わーっと延ばして、延ばして、延ばして、延ばして、こういう棒状にします。
その棒状にしたものをなんと、はさみでパチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチとこう切っていくんですね。
決して大量生産できないけれども、手で締めたその食感っていうのは、決して機械では出せない本物のうまさがあります。
他のげんこつあめとは一線を画する食感をかもし出しております。ぜひ食べていただきたいと思います。
ただ、作っている方がですね、70歳を超えた方二人で作っておられます。
後継ぎが今育っていませんので、このままだとこのせっかくの無形文化財のような手締めのげんこつ飴が世の中から姿を消してしまいます。
製菓に携わる若者が弟子入りしていただきたいと思います。
このはったい粉というか、げんこつ飴を作るその技術を継承していただきたいと、そういう風に思います。
濃厚なきなこの風味が広がる、きなこ好きにはたまらない素朴で味わい深いお菓子です。
国内でも限られた地域で作られていて、ご存知のない方も多いと思いますが、飛騨地方、愛知の犬山では土地の名物として土産物や地元のスーパーにも並んでいます。
仙台にも「きなこねじり」という、いずれもきな粉と砂糖(水飴)を混ぜた製法のお菓子があります。
歴史は大変に古く、犬山では戦国時代から陣中食として作られていたという記録が残っていて、さらに遡ると、鎌倉時代から現在も葵祭などでも必ず供えられる「洲浜(すはま)」という和菓子にいきあたります。
これは大豆と青豆を煎って挽いた「州浜粉」に砂糖と水飴を加えて練ったものですが、これが各地の城下町を中心に広まっていったものと考えられています。
遠い記憶ですが、夏になると「麦茶、はったいこ~」という売り声で屋台を引いたおじさんが町を回っていて、その売り声を聞くと無性にはったい粉を食べたくなったものでした。
はったい粉に砂糖を入れて、冷たい麦茶で練って食べるというのは夏の風物詩でもありましたので、この淡路島のげんこつ飴にもはったい粉が入っているんですね。
ぜひ後世にもこのおいしさを残していってほしいです。
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